窓景
Window scapechocolaterie plein / ショコラトリー プラン
- 業 態
- 洋菓子店 / チョコレート菓子
- 所在地
- 兵庫県芦屋市
- 開業時期
- 2015年01月
- 受注形態
- 設計・重点監理
JR神戸線「芦屋駅」の南側、美しい桜並木通り沿いにあります。長年1Fで洋菓子店を営業されてこられ、2Fのテナントが空いたタイミングで、そちらにチョコレート専門店をつくることになりました。2Fになると視点の高さが変わり周囲の風景の見え方が変わります。特に春になると満開の桜をより身近に感じることができる風景は格別です。この素敵なロケーションをどのように活かすべきかを考えることからデザインをはじめました。
1Fの洋菓子店は基本的にテイクアウトのみですが、2Fではチョコレート菓子の販売と共に、チョコレートを使ったケーキやパルフェをその場で食べることができるようにイートインスペースを設けました。窓際につくったささやかなスペースではありますが、四季折々の風景を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができます。特に春は、目の前に拡がる満開の桜を愛でながらお菓子を楽しむことができます。
窓外の景色を借景する
テナントはもともとマンションの一室で、窓枠にはシルバー色のアルミ製引き違い窓(既製品)が取付けられていました。そのアルミ製引き違い窓を撤去し、新しくスチール製の面格子窓を取り付けました。それにより窓外の風景の一部を切り取ったかのような借景効果が生まれ、四季を彩る風景画が飾られているかのような空間ができあがりました。
(イートインスペースは2015年01月の時点では店内向きでしたが、2020年の06月に店外向きに変更しました。より屋外を身近に感じられるスペースになりました。)
素材づかいによるゾーニング
テナントが限られた空間であるため、販売スペースとイートインスペースを小さな範囲におさめる必要がありました。そこで複数のお客様が同時に入店された状態であっても、ショーケースのお菓子を買いにきた人とイートインでゆっくりお菓子とドリンクを食す人が、共存しながら微妙な距離感を保っていただくため床の素材づかいを変えました。それによりお客様は、自分で歩く場所、留まる位置を自覚的に選択し、行動していただけるようになりました。
新旧のミックス
新しくつくる造作家具や照明器具類と、店主が大切に集めてこられたアンティーク家具や照明器具類とをどのように組み合わせればよいのか調整を重ねました。新しくつくる造作家具や照明器具類には、あえてエイジングなどの擬似的なアンティーク加工を施さず、新品であることを活かしながら、新旧をいかに現代的にミックスさせるかを試みました。
1Fの賑やかな路面店とは異なる、静かでゆったりとした時間を過ごすことができる空間ができあがりました。それぞれ独自の雰囲気を楽しんでいただければと思います。
chocolaterie plein
Google Maps
造作家具:calanthe 尾崎耕将
施工・現場監理:有限会社Wwork 渡邉昌敬