今回の空間デザインのテーマは「黒子」です。より直接的に、ブランドイメージや商品をお客様にアピールするためのデザインを試みました。具体的には、商品の背景となる壁面の素材、色とツヤ、照明の陰影によるトーンの差異に主眼を置いた造作を施しました。また、ディテール面では、壁の出隅（壁の角の出っ張り部分）を丸く加工することで、色のグラデーションが映えるように工夫しています。これにより、商品を際立たせることができる同時に、店内を自然に回遊しながらお買い物を楽しむことができる空間になったのではないかと思います。
スマホの画面に映るスナップ写真を想定したとでもいいましょうか。被写体＝商品と背景の関係性を問うたデザインでもあります。モノを買うという行為の仕組が日々変化していく現在、空間デザインの仕組も変化していくはずです。今後は「メディアとしての実店舗」のデザインが、よりシビアに問われていくことでしょう。

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施工・現場監理：株式会社&S 金光朋博・国岡秀匡