cello 空間設計

暮らしの道具

Tools of life

ゆげ焙煎所+Sghr / yuge roastery + スガハラガラス

業  態
ホットコーヒー用グラス
所在
兵庫県西宮市・千葉県山武郡
開業時期
2020年05月
受注形態
設計サポート

コーヒーショップ「ゆげ焙煎所」とハンドメイドガラスメーカー「Sghr(スガハラガラス)」のコラボレーションによるホットコーヒーグラスです。新製品の開発にともない、ゆげ焙煎所、店主のサポート役とし参加させていただきました。インテリアデザインと深く関係するプロダクトデザインではありますが、スケール感やディテールの突きつめ方など、いつもとは少し異なる能力を試される貴重な機会となりました。

ゆげ焙煎所のテーマである「心に響くコーヒーを」を出発点として「心地よいひと時を過ごすための道具をつくりたい」「コーヒーをガラスの器で楽しみたい」、特に「“ホットコーヒー”をガラスの器で楽しみたい」という具体的なシチュエーションを基にデザインをはじめました。
スガハラガラスは、より美しいガラス製品をつくるため、素材に耐熱ガラスを使用していません。そのため、高温の液体を入れた時に膨張率が大きくなり割れてしまう可能性があります。ホットコーヒー用のガラスの器をつくるには「熱」(ホットコーヒーの場合は摂氏80度前後)との調和を考慮する必要がありました。様々な形状を検討していくなかで、持ち手の位置やディテールが限定され、よくあるコーヒーカップのようなカタチは難しいことがわかりました。そこで、よくあるコーヒーカップのカタチから自由に発想してみた結果「ワインを楽しむようにホットコーヒーを楽しむスタイルがあってよいのではないか?」というアイデアが生まれ、このようなカタチができあがりました。
このワイングラス型のフォルムは、とてもシンプルですが、持ち手の太さや長さ、口当たりの厚味などは微調整を重ねてできています。特に台座=ステムの太さは、全体のイメージをガラリと変える要素で、ミリ単位の調整を重ねました。ディテールを決定する段階では、九十九里浜にある工場へ出向き、職人が製作する傍らで最終的なカタチをつめていきました。

このプロダクトは「kokochi / ここち」と名付けられました。昔からある日用品のような佇まい、おおらかでシンプルで一本筋が通ったグラスです。アイスコーヒー用としてもデザートを盛り付ける器としても心地よくご使用いただけます。日々の暮らしの道具としてお使いください。

ご興味のある方はコチラへ。
ゆげ焙煎所での紹介
Sghrでの紹介